群馬音楽センターを愛する会

「群馬音楽センターを愛する」設立について

はじめに

「群馬音楽センター」は、「昭和三十六年ときの高崎市民之を建つ」の碑と共に歴史を積み重ね2011年には、開館50周年を迎えます。また21世紀に残したい世界の文化遺産としてのモダニズム建築として、日本からDOCOMOMO(オランダに本部を置く、近代建築の保存と調査のための国際組織)の20選の一つに選ばれました。今では高崎の歴史・文化発信のシンボルになっています。
そんな群馬音楽センターでの多くの人々の「想い・思い」を記録に残し「群馬音楽センターの歴史の大切さ」を考え、今後ともこの建築が長く存在することを願う場として、2008年5月10日(センターの設計者であるアントニン・レーモンド生誕120年)に「群馬音楽センターを愛する会」を設立致しました。

発足の経緯

2008年1月14日、高崎市が音楽関係者を講師にシンポジウムを開催し、群馬音楽センターの将来について語り合い、高崎市が建替えの方針を固めているとの記事が新聞に報じられました。
その後高崎市では、①改装、②別の場所にホールを建設しセンターは用途変更、③建替え、という大きく分けて三つの方針が検討されていることが分かりました。
昨年は、レーモンド設計の代表的建築である東京女子大学の旧東寮が取り壊されました。また、現在DOCOMOMO20選の一つである「東京中央郵便局」(吉田鉄郎の設計で、ブルーノタウトが称賛した日本の近代建築です)が解体されようとしており、150人を超える国会議員団が、保存を求めて行動を始めています。

全国で歴史的な建造物が消え去る中で、「解体が決まってからでは遅い。その前に、大きな声を上げていかなければならない!」との思いを強く感じました。
そういう時期に、2008年4月5日~5月25日まで、高崎市美術館・高崎哲学堂・群馬音楽センターの三会場で「建築と暮らしの手作りモダン~アントニン&ノエミ・レーモンド展」が開催されました。その中でアントニン・レーモンドの誕生日の5月10日に「ノエミ・レーモンドの仕事」と題して展覧会記念講演会が開催されました。
講師は、元ノエミ・レーモンドの助手として仕事に携わっていた小林邦子氏と群馬音楽センターをはじめ、数々の壁画制作等に携わった画家の石沢久夫氏で、私が司会を務めました。アントニン&ノエミ・レーモンドとの仕事を通して、夫妻の仕事と暮らしを、映像と共に身近に知る機会となりました。

今なぜアントニン&ノエミ・レーモンドなのか?」という問いかけがありました。
レーモンドの建築は、人間の尺度と自然との調和を基本とした和風建築の長所を取り入れた、木造の洋風建築(レーモンド・スタイルと呼ばれている)。また材料の素材を素直に表現することを身上として、群馬音楽センターを代表とするコンクリート打放し建築等、簡素でありながら居心地の良い空間を持つ質の高い建築空間を、日本に定着させました。バブル崩壊以後、又ニューヨーク9・11の事件によるビルの崩壊、阪神淡路大震災があり、現在環境汚染問題が地球規模で大きな問題になっており、本来の空間の価値を探す中で日本人が忘れかけている「物作りの原点」として、レーモンドが残した多くの実績を考えることの重要さが再認識されました。

壁画の下書き風景
レーモンド夫妻と制作スタッフ

講演会の最後に、レーモンドがデザインしたグランドピアノが高崎にあったことを、私が映像と共に発表しました。
今までアップライトピアノをデザインした記録はありましたが、グランドピアノの存在が確認されたのは初めてのことです。
レーモンド展開催中の音楽センター会場には、ホールの緞帳の原画が展示されており、その中央にグランドピアノが描かれていました。
ちょうどデザインされた時期も重なっており、このピアノが高崎で発見された事に、講演会参加者の皆さんと喜びを共有し、その場で「群馬音楽センターを愛する会」を設立することを提案しました。皆さんの賛同を得て、レーモンド生誕120年のこの日を設立の日にすることを了解いただきました。

これまでのイベント

「群馬音楽センター開館50周年連続シンポジウム」

7/25(月)「 群馬音楽センターの誕生を知る人々」公開座談会
7/26(月)「 群馬音楽センターとDOCOMOMO20選について」
7/28(木)「 群馬音楽センターの50年と今後について語る」
アントニン・レーモンドのグランドピアノ展示

「群馬音楽センター開館50周年記念連続シンポジウム開催」

「群馬音楽センターを愛する会」は、高崎の歴史・文化発信のシンボルである「群馬音楽センターの大切さ」を考え、永く存在することを願う場として、2008年5月10日(群馬音楽センターの設計者であるアントニン・レーモンド生誕120年の日)に設立され、勉強会や地域に根ざした活動を毎月行ってまいりました。
「群馬音楽センター」は、「昭和三十六年ときの高崎市民之を建つ」の碑と共に歴史を積み重ね2011年7月に開館50周年を迎えます。

1961年に開館した「群馬音楽センター」は群馬交響楽団の前身である高崎市民オーケストラの結成から群響結成までのドラマを描いた映画「ここに泉あり」をきっかけに建設運動が始まりました。建設に当たっては、多くの市民の浄財も集められて1961年に完成しました。その後多くの演奏会・演劇及び、イベント・卒業式・成人式等の舞台となり、市民の思い出・歴史が積み重ねられてきました。
また「群馬音楽センター」は21世紀に残したい世界の文化遺産としてのモダニズム建築として、日本からDOCOMOMO(オランダに本部を置く、近代建築の保存と調査のための組織)の20選の一つに選ばれました。世界的な建築家アントニン・レーモンドが設計し、市民運動により完成した建築として多くの見学者が訪れています。 ここで、「群馬音楽センター50周年」を皆様と祝うと共に、これからの「群馬音楽センター」について考える連続シンポジウムを 7/25(月)26(火)28(木) 高崎シティーギャラリー・コアホールで開催する運びとなりました。

第一回 2011.7.25[月] 「群馬音楽センターの誕生を知る人々」公開座談会

基調講演松浦幸雄 (前高崎市長・高崎青年会議所第9代理事長)
座談会1
群響と群馬音楽センター
安藤直典 (群馬シティフィルハーモニー代表)
風岡裕子 (ピアニスト)
松井一雄 (財団法人群馬交響楽団運営理事)
座談会2
音楽センターの誕生
笠原秀雄 (高崎青年会議所第12代理事長)
茂田治男 (群馬音楽センター第2代館長)
西川扇生 (日本舞踊家)
松浦幸雄 (前高崎市長)
コーディネーター新井重雄 (高崎新聞)

■第二回 2011.7.26[火] 「群馬音楽センターとDOCOMOMO20選について」

パネリスト鈴木博之 (DOCOMOMOJapan代表・青山学院大学教授・明治村館長)
岩崎 淑 (ピアニスト・カザルスホールを守る会代表)
隈 研吾 (建築家・東京大学教授)
中原まり (司書・米国議会図書館)
コーディネーター兼松紘一郎 (建築家・DOCOMOMO Japan幹事長)

■第三回 2011.7.28[木] 「群馬音楽センターの50年と今後について語る」

パネリスト鈴木滉二郎 (元静岡文化芸術大学教授)
赤羽洋子 (高崎市民音楽連盟事務局長)
星 和彦 (前橋工科大学教授)
高井俊一郎 (高崎青年会議所副理事長
スペシャルパネリスト富岡賢治 (高崎市長)
コーディネーター熊倉浩靖 (群馬県立女子大学教授)

                             

「群馬音楽センター開館60周年記念イベント」

二人のアントニン チェコとアメリカ 二つのルーツから

2021/10/23(土)
チェコで生まれの建築家で、音楽をこよなく愛したアントニン・レーモンド。彼が設計した群馬音楽センターの開館60周年を記念して、同じくチェコの国民的作曲家アントニン・ドヴォジャークの楽曲の群馬交響楽団による演奏会

「東京プライム・シンフォニーオーケストラ
群馬音楽センター公演日韓特別ガラコンサート」

2023年9月30日(土)

国際交流を通して世界の文化を見つめる
「音楽の街 高崎」のシンボル、群馬音楽センター(群馬県高崎市)で、日韓交流のオーケストラコンサートを開催するため、主催者がクラウドファンディングで支援を募った。センターの魅力を伝えるため、それぞれ18歳以下の市民ら500人が招待されました。
主催:株式会社 空間あい
共催:群馬音楽センターを愛する会

「群馬音楽センターを愛する会」へ
佐藤晃一の手紙と缶バッジ