ライフワーク

■ 高崎市景観重要建造物に関わって

高崎市には景観重要建造物に指定された建物が6棟あり、3棟の建物について今まで関わってきました。
第1号、「旧井上房一郎邸」 東京の麻布笄町にあったアントニン・レーモンドの自邸を、井上房一郎が同氏の同意を得て東西を逆転した写しとして高崎に建てた木造住宅。

2002年3月4日に公売にかけられたが、(財)高崎哲学堂設立の会が落札し、5月13日に(財)高崎哲学堂としてオープンしました。私はここの理事として、ボランティアスタッフと共に維持活動に努め、屋根外壁補修工事等に携わっていました。その後高崎市への売却について、DOCOMOMO Japanからの建築評価書作成等に関わりスムースに高崎市に移譲しました。

現在は隣接する高崎市美術館の一部として公開されています。

旧井上房一郎邸

第2号、「群馬音楽センター」 アントニン・レーモンド設計・鉄筋コンクリート造

1961年、工事中の音楽センター見学が大きな刺激となり建築に進むことを決めた建物です。

2008年5月10日「群馬音楽センターを愛する会」を設立し、2011年開館50周年記念連続シンポジウム開催。2021年開館60周年記念講演会・群響演奏会開催。開館60周年記念誌を発刊。

群馬音楽センター夜景 
60周年記念講演会・演奏会
記念誌

第3号、「公益財団法人山田文庫」

2020年「山田文庫はあなたの本棚」として改修設計監理を実施しました。

「山田文庫はあなたの本棚」

・染色の街高崎の藍染絹布と紅染絹布に和紙を裏打ちしたクロス貼の耐震補強壁。

・紅絹を内包した行燈試作。

・閲覧室:中央にハウスインハウスとしての外壁と同じ南京下見板張り。

・アールトの丸テーブルと椅子が有る。

・西側に明治期に移設された幕末時代の茶室。高崎商工会議所の発祥の場所とされている。

●公益財団法人山田文庫は、山田勝次郎・とく夫妻の遺産を継承して私立図書館として設立した組織です。屋敷蔵・茶室・土蔵及び煉瓦塀は明治期に建設。平成22年に高崎市指定第3号景観重要建築物等として多くの市民だけでなく、古建築に興味を持つ方々が訪れています。

●「山田文庫はあなたの本棚」をテーマに充実した閲覧スペースを確保し、山田文庫の歴史を伝える歴史コーナーを新設。今まで使用できなかった2階を研修室として改修しました。石膏ボードの天井を撤去すると丸太の小屋組みがあり、これを生かした室内空間構成を目指す。内壁は耐震補強の構造用合板を生かし、下部は石膏ボード塗装仕上げとし、力強い小屋組みが豊かな空間を実現しました。染色のまち高崎の伝統でもある「藍染シルク」と「紅染めシルク」を壁クロスとして実験的に活用しました。たかさきの「歴史まちあるき」の中心的な場所ですので、外部テラスにベンチコーナーを設置し、休憩地として開放しています。2012年にJIA群馬クラブの代表幹事に指名され、テーマ「二人の外国人建築家/タウト&レーモンドin群馬」を提案、活動をスタートさせました。

■ JIA公益社団法人日本建築家協会での活動

なぜ少林山達磨寺で建築学校を開校することになったのか?

「二人の外国人建築家/タウト&レーモンドin群馬」

2012年にJIA群馬クラブの代表幹事に指名され、テーマ「二人の外国人建築家/タウト&レーモンドin群馬」を提案、活動をスタートさせました。

はじめに(2012年時)

 2011年の東日本大震災以降、建築家は何を考えてきたのか?と問われています。

1960年代の高度成長期からバブル崩壊、そしてニューヨーク9.11、阪神淡路大震災そして昨年の東日本大震災があり、現在放射能を含めた環境汚染・エネルギーが大きな問題になっています。この状況の中で建築家は役に立ったのだろうか?

 大震災の中から大きく復興へ向かう人々の姿の中に「日本人が忘れかけていた何か?」を感じさせるものが見えた気がします。

「二人の外国人建築家/タウト&レーモンド」と「日本のモノづくりの原点」

1933年5月ナチスの圧政から逃れて来日し3年半の滞在の大半の2年3ヶ月を少林山達磨寺に寓居し、日本の美と文化を世界に紹介したドイツ生まれの建築家ブルーノ・タウト。

 1919年12月に帝国ホテル設計のため、フランク・ロイド・ライトの助手として来日し、日本で活躍したアントニン・レーモンド。コンクリート打放しの代表的な建築である群馬音楽センター・麻布笄町のレーモンド邸の写しである木造住宅の旧井上房一郎邸が現存する群馬県・高崎市。
 二人の外国人建築家は、日本の気候風土に培われてきた健全で簡素な美と文化に大きな衝撃を受け、何かを感じ、その後日本の建築界に大きな影響を与え、日本から世界に発信した。二人の外国人建築家が日本の中に何を見たのか?
 この二人に縁のある群馬で、連続企画「二人の外国人建築家/タウト&レーモンドin群馬」を中心軸に「日本のものづくりの原点」を探りながら、日本に蓄積されてきた歴史・文化・価値、これからの「日本のかたち」を考え発信していく方針を決めました。

・群馬音楽センター   
・旧井上房一郎邸
・「ブルーノ・タウトの会」主催展覧会

連続企画 第1回~ ブルーノ・タウトの映像を中心に~

・生誕120年記念「ブルーノ・タウトの会」制作映像「知のDNA・夢ひかる刻」解説と鑑賞
・パネルディスカッション「地元の建築家が語るタウトの視点」
・旧井上房一郎邸(麻布笄町のレーモンド邸の写し) 見学・解説
開催日時:2012年6月23日(土)
場所:高崎市南公民館5階講義室(高崎市八島町110-27)
主催 (社)日本建築家協会関東甲信越支部群馬地域会
共催  ブルーノ・タウトの会   日本建築学会関東支部群馬支所
協力  群馬音楽センターを愛する会  NPO法人高崎哲学堂 

・最初に「ブルーノ・タウトの会」メンバーのDVD映像の制作経過解説と鑑賞の後、JIA地元メンバー4人が、ブルーノ・タウトを語りながらシンポジウムを開催しました。その後高崎市立美術館に併設されている旧井上房一郎邸の見学とメンバーによる解説を実施しました。参加者は53名(一般38名)でした。地元の新聞記事等にも大きく取り上げられ第2回への期待が寄せられました。

・シンポジウム風景
・旧井上房一郎邸見学と解説
・「知のDNA 夢ひかる刻」DVD

連続企画 第2回を少林山達磨寺で開催を提案
1934年ブルーノ・タウトが「少林山達磨寺で建築工芸学校開校」を構想提案したが実現できなかった事を踏まえて、JIA群馬クラブが少林山達磨寺で「ものづくりの原点を考える」をテーマに第2回連続シンポジウム開催を提案しました。その後JIA群馬クラブの「少林山達磨寺で建築学校開校」に繋がりました。

建築展2012 ~少林山達磨寺で ものづくりの原点を考える~ 開催
開催日時:2012年11月16日17日18日  
場所:少林山達磨寺・講堂(高崎市鼻高町296)

連続企画  第2回  ~少林山達磨寺でタウト&レーモンドを考える~
・達磨寺境内「タウトの思惟の径」散策 案内講師:廣瀬正史(少林山達磨寺住職)
 ブルーノタウトが1933年5月ナチスの圧政から逃れて来日し、3年半の滞在の大半の2年3ヶ月を過ごした洗心亭。
日本の美と文化を世界に紹介したドイツ生まれの建築家ブルーノタウトが
散策をした達磨寺境内の「タウトの思惟の径」を達磨寺広瀬正史住職と共に、
タウトが何を思いながら歩いていたのかを偲びました。

・廣瀬正史住職と思惟の径散策
・ブルーノタウトの碑
・タウトが建築工芸学校を構想した大講堂

・講演会「アントニン・レーモンドが見た日本について」 講師:三沢 浩(建築家)
 群馬音楽センターの設計者でもあるレーモンドの「自伝 アントニン・レーモンド」の翻訳(翻訳原稿は三沢氏から高崎市に寄贈)を始め、建築家レーモンドの軌跡を著してきた高弟・三沢浩氏が、アントニン&ノエミ・レーモンドの生き方を語る中から、日本の気候、季節、周辺環境に深く関わった生活のある、生きている空間を日本に定着させてきた夫妻の思いを映像とともに語って頂きました。

・群馬音楽センター
・群馬音楽センター緞帳のデッサン
・東京女子大学図書館棟
・レーモンド邸の写し旧井上房一郎邸
・新発田カトリック教会
・新発田カトリック教会内部

連続企画  第3回  ~ブルーノ・タウトと東山魁夷の旅を通して~  
・映像と講演  講師:佐野文男(映像作家)
・二人に縁のある「旧井上房一郎邸」見学と解説
開催日時:2013年6月15日(土) 
場所:高崎市南公民館5階講義室(高崎市八島町110-27)
映像作家・佐野文男氏を講師に、ブルーノ・タウト(知のDNA夢ひかる刻)と東山魁夷(東山魁夷の四季・東山魁夷の心の旅路 等制作)二人の同時代の生涯についての映像制作を通して感じたこと。建築家と日本画家という違う道を歩みながら両者の共通点と違いを同じ表現者としての生き方を比較する中で、浮かび上がってくるものは何か?日本人が忘れてしまった大切なものが、見えてくるのか?
・1933年に来日したタウト、同年にドイツへ渡った東山魁夷。二人に接点はないが、映像を通して二人の心の旅と作品を繋ぐ佐野文男氏。自然風土の美しさに共に惹かれる二人の作品と生き方の中に二人を繋ぐ接点を見る。

・東山魁夷の心を表現した作品
・タウトが2年半を過ごした洗心亭
・映像作家 佐野文男氏

●建築展2013 ~少林山達磨寺で ものづくりの原点を考える~開催
開催日時:2013年11月15日16日17日  
場所:少林山達磨寺・講堂(高崎市鼻高町296)

連続企画  第4回  ~井上房一郎とタウト&レーモンドを考える~

・講演 「日本最後のパトロン井上房一郎とものづくり」   
 講師: 熊倉浩靖(群馬県立女子大学准教授・当時)
「二人の外国人建築家/タウト&レーモンドin群馬」の最終回として、
二人に共通する日本の最後のパトロン井上房一郎を語りながら、日本人が忘れてしまったものづくりの原点を探り出したい。
井上房一郎を身近に見ていた熊倉浩靖氏が、先人の生き方を語る中で参加者と共に井上房一郎を考える場を通して、
ぐんまの日本の、風土・文化を考える。

・旧井上房一郎邸パティオ
・高崎白衣観音

2012年6月23日(土)
アーキテクツ・ガーデン 2012
「二人の外国人建築家/タウト&レーモンド in 群馬・高崎」

高崎市南公民館 5 階講義室(高崎市八島町 110-27
主 催 (社)日本建築家協会関東甲信越支部群馬地域会
共 催 ブルーノ・タウトの会 日本建築学会関東支部群馬支所
協 力 群馬音楽センターを愛する会 NPO 法人高崎哲学堂
後 援 群馬県 高崎市 高崎市教育委員会 NHK 前橋放送局 上毛新聞社その他
参 加 者 53名(内・一般 38名

「日本のものづくりの原点」を探りながら、
これからの「日本のかたち」を考え発信していく。

関連資料

井上房一郎 + タウト&レーモンド 年譜

■ 高崎セントラルロータリークラブ

高崎セントラルロータリクラブ HP

■ 高崎高校東京同窓会での活動 

高崎高校同窓会 HP
高崎高校東京同窓会 HP

■ ブルーノ・タウトの会の活動

高崎に暮らしたブルーノ・タウト展 

~建築家の休日 建築・工芸・暮らし~

2011年3月18日~3月23日
高崎シティギャラリー第5・6展示室

著名な近代建築家のひとりであるブルーノ・タウトは、ドイツ出身の建築家。タウトは、最晩期である1934年8月から2年余りの間、高崎に滞在。
日本文化に触れながら工芸活動に取り組んだ。同展は、「建築・工芸・暮らし」という視点で、彼の活動を物語る写真や工芸作品等を展示する。

■ 沐陽会の活動

■ 高崎史志の会の活動

高崎史志の会 HP